モロッコ、刻々と変化する美しきサハラ砂漠

映画の世界で見たことがあるサハラ砂漠、でも自分が行くことができる世界とは思ってもみなかった別世界の憧れの地でした。
ラクダに揺られてゆっくりとゆっくりと360度砂、砂、砂の世界へ踏み込むと風景がどんどん変化していくのがわかりました。
絶え間なく吹く風と光が演出してくれるのです。

一緒にいたベルベル人が指さす先にテントのような寝床が見えるころには夕闇が・・。
ここで一晩眠るのか、でももったいないと考え食後3時間ぐらいだけ眠るように時計のタイマーをセットし、夜中に起きてみると月が消え満天の星空が、
身震いするほど感激しました。その横にはお世話になったラクダたちが連なって寝ていました。

私は一人カメラを持ち出しその風景を撮影しました。
月明りという言葉があるけど、星明りという言葉が当てはまるような夜空の明るさに目が慣れてくると砂漠が見え始めました。
もっと高いところからこの風景を見てみたいと思い、一番近くに見える砂の山目指して歩き出しました。
ほんのちょっとの丘の斜面を登るのにも結構体力が必要でした。
でも時間をかけて少しずつ少しずつ砂山を登っていきました。

その頃には夜が明けだし昼と夜の境目が線で引けるような空色を眺めていると遠くに光が・・。
朝日です。
するとまるで海のように砂の大地が波打って光と影に裂けました。
もう夢中でシャッターを切った記憶があります。
映画でも見たことがなかった絶景が眼前に、体感できた幸せを噛みしめるころには風で砂、砂、砂の世界でした。

★もしあなたが行くのなら
多くの人が意外と知らないのが、カメラは砂に弱いということです。
実は水よりも厄介なのです。水だと重力の関係で落ちていくだけなのですが、砂は四方八方どこからでも入ってきます。
しかもシャッターボタンの周りとか細かいところに平然と入ってカメラが操作できなくなるのです。
カメラを袋に入れていってもあまり効き目がありませんでした。
防塵防滴耐性のあるカメラを必ず持っていくことが大事です。

★道中与太話
ラクダは馬と同じで長い道のりを行く場合は必ずお尻が我慢できないほど痛くなります。
乗る際には服をお尻の下に入れるとかちょっとしたクッション代わりになるものを敷くと少しでもましになります。